1冊目としてJ.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』
はじめに
1冊目にふさわしいものを考えるあまり、アップに時間がかかってしまいました。
あまり、肩に力の入りすぎない本。そうであってもある程度の重み、深みのある本。
そこで、選んだのが『ライ麦畑でつかまえて』です。
紹介のされ方
インターネットでこの本を調べると、膨大な量の書評を見ることができます。
明るい本ではなく、暗く、重い本だというのが一般的な評価です。
「思春期の・・・」「社会に対する・・・」みたいな感じです。
確かにこの本の一つの読み方として正しいと思うのですが、そうしてしまっては純粋に楽しむことができなくなってしまいます。
楽しむコツをこれから紹介していきます。
新しい読み方
*1
・この本は、青とクリーム色の二色で、題名も何かおしゃれな感じがあります。
(カフェでのおしゃれ読書にはもってこいです)
・「それ面白いよね」と話かけてくる素敵な方に出会うこともできます。
(現在でも年間25万部売れているし、愛読者は多数です)
・また、その本何?と聞かれた時
「ケネディ大統領の暗殺を試みた狙撃犯がポケットに入れていた本だよ。」
と知的でミステリアスな話もできる。
・物語の舞台はニューヨークなので、旅行の参考にできます。
「妹と待ち合わせをしたメトロポリタン美術館のミイラ館は確かに2つあって、
こっちで待ち合わせしたのか」
「家鴨の心配をした、グランドセントラルパークの池はここか」
「妹と主人公があのやり取りをした回転木馬はここか」
(なにか感情に訴えるこのシーンをぜひ読んでほしい。)
*2
この本は主人公が母(読者)に語りかける形で物語が進みます。
ねえ、聞いてくれよ。この間、友達の〇〇が・・・」みたいな感じです。
その中でとても面白い会話がたびたび出てきます。
「おい。おまえが入って来てから、俺は同じ文章を二十ぺんも読み返してんだぜ」僕はそう言ってやった。
『秘密の金魚』っていうすごい短編集があるよ。・・・自分の金魚をどうしても人に見せたがらない子供のことを書いたものなんだ。どうして見せたがらないかというと、自分の金で買ったからだっていうんだな。
最後に
この本を読み終えた時、それぞれ感想を持つと思います。
しかし、共通するのは
「自分の中をすっと通りぬけてはいかず、なにかとどまる感じをうける。」
ということです。
読者数がそれを裏付けていると言ってもいいでしょう。
フランクにこの本を手にとって、あくまで楽しんで読む。
読み終えれば必ずなにか残ります。
次は感想を長い目で見守ることを楽しんでください。
あとがき
この本は愛読書の1つです。
気付いたら好きになっていました。(はじめは正直、嫌いでした)
ニューヨークに旅行する前、物語の場所にマーカーを引き、実際に見に行きました。
グランドセントラルパーク内の池、回転木馬、2つあるミイラ館、ハーレム。
大変いい思い出です。
この本を手にとってもらえることを願って、第一回を閉じたいと思います。