おざなりにはできないこと

1.はじめに

更新が遅れました。

ある短編小説をどうしても紹介したかったからです。

結局、見つからずじまいでした。

たとえ不完全でも、ブログに残したかったので書きます。

 

2.本日のテーマ

「理想を求める」を考える

先日、フィンランドに旅行に行きました。

ヨーロッパの人々との会話を通して、「気づき」がありました。

 

ヨーロッパ人は将来の展望を理想のライフスタイルというところまで落とし込んでいるということです。将来の職業で留まらず、実に具体的であるという印象を受けました。

自国に理想のライフスタイルがない場合、平然と国境を越えていく。

それが、自然な選択なのです。多数派、主流な選択なのです。

日本とは大きな違いがあると思いました。

理由を考えると、まずは「言語の壁」がある。

しかし、それだけではないと確信しました。

日本には新しい価値観、合理性の侵入を拒み、防ぐものが確実にあると。

それは、伝統、文化、しきたり、義理と呼ばれるものです。

異文化と片つけて、取り合わないのも正しい。

気づかないふり、本当に気づかないのも正しい。

理想を国内、国外に求めても正しい。

わたしは理想を追い求めていく決意を新たにしました。

日本の制度への疑問が湧き上がり、何かが燃え上がりました。

しかし、その時、一つの短編集が記憶の片隅から浮かび上がってきました。 

 

3.あらすじ

作者はサマセット・モームだと記憶していますが、これもさだかではありません。

記憶をたどって説明します。

 

主人公の少年は日々の生活が退屈で嫌気がさしています。

日に日に、冒険に対する欲求が膨らんでいます。

ある日、冒険に出ていた兄が家に帰ってきます。

服はボロボロで、精悍な体つき、顔とは言えないものの少年は兄を尊敬の気持ちで眺めました。

兄の話は大変面白く、少年の冒険への憧れはさらに強くなっていきます。

そして、少年は父、母、兄に冒険に出たい気持ちを相談します。

父、母は冒険に出ることを反対します。

父と母は、辛い道をわざわざ選ぶことはない。あるべき姿を話して諭します。

兄は賛成します。兄は止めることができないことだと理解しているからです。

父と母に寂しい思いをさせることになるとだけ教えます。

結局、弟は出発することを決意し、早朝に兄の部屋に来てこう言います。

「行くことにする 港まで送ってくれないか」

兄はこう言います。

「一人で家の門を開けて、一人で塀を越えていかなければいけないよ」

 

補足

作品名がわかる方がいらっしゃればご連絡ください。